精神が安定してないと美味しいものは作れない。
実は僕、家族で「次の予約が2年後になるような人気店」に行ったことがあるんです。そこは9席しかない寿司割烹だったんですね。すごく感動しました。
はい。北海道で育ったウニとホタテを掛け合わせて・・・みたいな。
「北海道の海で育ったウニとホタテは同じものを食べてきているから、相乗効果で一層美味くなる」って話もしてくれたり。一対一だから、 作り手の熱が直に伝わってくるんです。本当に究極だなって思いました。顧客7,000名を抱える中で9席しか無いので、(今はもっと増えているかもしれません!)年間300日営業しても1・2年は掛かってしまう。
はい。だからお客様たちが「じゃあまた2年後に!」って帰るんですよ。
またお待ちしています。会えることを楽しみにしていますって。
メニューが無くて、その時の食材を入れて考えながら出すっていうのは究極のレベルだな。そういう料理も理想の料理ですよね。
はい。そこに一品一品に合わせたワインや日本酒が出てきて、すごいなと思って。だから僕の考える理想の料理は、絶対に家で作れない料理なのかなって。
私も、家では食べられない食材・料理法を用いた料理。
あと・・・味はもちろんですが、五感(味覚・視覚・嗅覚・聴覚・触覚)で感じられる料理。
それと・・・お客様も満足して、作り手もこれだって思って出せる料理。楽しみながら作る料理。こだわりのある料理が理想の料理かなって思います。
そうです。ただ、色々浮かぶけど、なかなかこれって絞れませんでした。
はい。フィードバックを聞くまでは不安な気持ちですが・・・。
ピザも窯の状態で一回一回違うし、自分の精神状態によっても焼き具合が変わります。
失敗して落ち込んでいる時はうまく焼けなかったりして。でもバチっとうまく焼けた瞬間に目の前にいるお客様に提供できた時は「よし!」って思います。
わかる。準備にも色々あるけど、調理の準備と心の準備があると思ってて。精神が安定してないと美味しいものは作れない。
HUGEの良好点と課題点。
やっぱり食材の仕入れ。安くて美味しいものが手に入る。だから良いものを出せる。これはHUGEの強みです。
渋谷は大型店ですが、意見の相違があっても仕事を終えた後にひと声掛けたりとか、「今日、いつもと違ったけど何かあった?」とか、その日のうちに解消できる環境なので良い雰囲気だと思います。
HUGEに入って「なぜこんなに一体感・チーム力があるんだろう」って感じました。突き詰めていくと、わだかまりが無いんです。その場で言って終われるから、ストレスが無い。以前に働いていた店はそうではなかったので、尚更「今どきこういう飲食店があるんだな」って感じます。
例えば、オペレーション。ホールからすれば「これを先に出してほしい」、でもキッチンは「これを先に出したほうがいい」とか。そういう話ですね。たまに感情も入る、人だから。すごく感情豊かな会社だなって感じます。
うちの店の課題はクオリティの維持かもしれない。どうしても全員がトップレベルの人と同じようにチーズを作るのが難しい。そこが課題ですね。
うちは、作る人によって味が少しブレるのが課題です。誰が作っても同じ許容範囲のところに定まっていないと。
僕もNanaさんと一緒です。誰が作っても同じものが出ないとお客様が不幸になってしまう。だから新人教育が課題かな。しっかり教えてあげられているか、そこが課題です。