座談会~考えるレストラン

座談会Vol.2 レストランにおける理想の料理とは?(参加者:キャリア採用 × キッチン)座談会Vol.2 レストランにおける理想の料理とは?(参加者:キャリア採用 × キッチン)

会場:RIGOLETTO SHORT HILLS Nakameguro

精神が安定してないと美味しいものは作れない。

Rinji
実は僕、家族で「次の予約が2年後になるような人気店」に行ったことがあるんです。そこは9席しかない寿司割烹だったんですね。すごく感動しました。
Toshiki
メニューが無い店?
Rinji
はい。北海道で育ったウニとホタテを掛け合わせて・・・みたいな。

「北海道の海で育ったウニとホタテは同じものを食べてきているから、相乗効果で一層美味くなる」って話もしてくれたり。一対一だから、 作り手の熱が直に伝わってくるんです。本当に究極だなって思いました。顧客7,000名を抱える中で9席しか無いので、(今はもっと増えているかもしれません!)年間300日営業しても1・2年は掛かってしまう。
Toshiki
予約が取れない?
Rinji
はい。だからお客様たちが「じゃあまた2年後に!」って帰るんですよ。
Toshiki
かっこいい。
Rinji
またお待ちしています。会えることを楽しみにしていますって。
Toshiki
メニューが無くて、その時の食材を入れて考えながら出すっていうのは究極のレベルだな。そういう料理も理想の料理ですよね。
Rinji
はい。そこに一品一品に合わせたワインや日本酒が出てきて、すごいなと思って。だから僕の考える理想の料理は、絶対に家で作れない料理なのかなって。
Toshiki
なるほど。Nanaさんはどうですか?
Nana
私も、家では食べられない食材・料理法を用いた料理。
Toshiki
間違いないね、それは。
Nana
あと・・・味はもちろんですが、五感(味覚・視覚・嗅覚・聴覚・触覚)で感じられる料理
Toshiki
大事だよね。
Nana
それと・・・お客様も満足して、作り手もこれだって思って出せる料理。楽しみながら作る料理。こだわりのある料理が理想の料理かなって思います。
Rinji
愛情ですね。
Nana
そうです。ただ、色々浮かぶけど、なかなかこれって絞れませんでした。
Toshiki
今、Nanaさんはドルチェで理想を体現できてる?
Nana
はい。フィードバックを聞くまでは不安な気持ちですが・・・。
Toshiki
じゃあ意識はできてるんだ。
Nana
ピザも窯の状態で一回一回違うし、自分の精神状態によっても焼き具合が変わります。
HideNana
あー、そうだね。
Nana
失敗して落ち込んでいる時はうまく焼けなかったりして。でもバチっとうまく焼けた瞬間に目の前にいるお客様に提供できた時は「よし!」って思います。
Toshiki
わかる。準備にも色々あるけど、調理の準備と心の準備があると思ってて。精神が安定してないと美味しいものは作れない。

HUGEの良好点と課題点。

HUGEの料理における良好点・課題点は何でしょうか? まずは良好点から。
Toshiki
やっぱり食材の仕入れ。安くて美味しいものが手に入る。だから良いものを出せる。これはHUGEの強みです。
Rinji
うん、それはすごい。低価格で旬のものを出せる。
解説
Satoko
HUGEとして市場の買参権を取得しています。社内に「市場調達部」というポジションがあり、毎日野菜や魚介を買い付けに行っています。市場調達部のスタッフがその時にオススメの食材や新種の野菜などの情報を、社内のSNSツールを使って毎日発信しているのでリアルタイムで知ることができます。
各店舗が原価計算を含めて、自分たちでメニュー作り店舗経営を行っているため、食材の仕入れは皆真剣です。良いものを安く仕入れることができれば、メニューのオリジナリティも上がりますし、何よりお客様に還元できる。決まったメニューだけではなくて、スペシャルメニューとしてその日何があるのかな?というワクワク感も味わっていただけると思っています。
料理以外の面では、いかがですか?
Rinji
渋谷は大型店ですが、意見の相違があっても仕事を終えた後にひと声掛けたりとか、「今日、いつもと違ったけど何かあった?」とか、その日のうちに解消できる環境なので良い雰囲気だと思います。
Toshiki
HUGEに入って「なぜこんなに一体感・チーム力があるんだろう」って感じました。突き詰めていくと、わだかまりが無いんです。その場で言って終われるから、ストレスが無い。以前に働いていた店はそうではなかったので、尚更「今どきこういう飲食店があるんだな」って感じます。
Nana
どんな話をするんですか?
Toshiki
例えば、オペレーション。ホールからすれば「これを先に出してほしい」、でもキッチンは「これを先に出したほうがいい」とか。そういう話ですね。たまに感情も入る、人だから。すごく感情豊かな会社だなって感じます。
逆に課題は?
Toshiki
うちの店の課題はクオリティの維持かもしれない。どうしても全員がトップレベルの人と同じようにチーズを作るのが難しい。そこが課題ですね。
Nana
うちは、作る人によって味が少しブレるのが課題です。誰が作っても同じ許容範囲のところに定まっていないと。
Rinji
僕もNanaさんと一緒です。誰が作っても同じものが出ないとお客様が不幸になってしまう。だから新人教育が課題かな。しっかり教えてあげられているか、そこが課題です。
Toshiki
永遠のテーマだよね。
解説
Satoko
飲食店の現場はキッチンもホールも基本的にはOJT(On the Job Training)が中心となります。会社としても専門学校と提携し基礎を学べる調理講習も開催し、スキルアップの向上のためのサポートをしています。今後は、違う形での調理講習や料理コンテストの開催も企画しています。でも一番は、スタッフが学びたいという意欲・そして努力だと思っています。

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